サイレント映画

安二郎 生誕120年
The 120th anniversary of Yasujiro OZU's birth.

【活動写真弁士】澤登翠がおくるサイレント映画解説

大人気企画の1つ。活動弁士の澤登翠さんの語りと、無声映画専属楽団『カラード・モノトーン・デュオ』のギター・湯浅ジョウイチさんとフルート・鈴木真紀子さんの調べにのせ、サイレント映画を鑑賞します。今年は2本上映!年に1度のこの機会をお見逃しなく!


「ロイドの要心無用」

要心無用(Safety Last!)サイレント期の喜劇王ハロルド・ロイドによる傑作コメディ。
主演のハロルド・ロイドが高層ビルの時計の針に掴まってぶら下がるシーンは、サイレント映画を代表する名シーンで、後の映画で何度もオマージュされ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『プロジェクトA(ジャッキー・チェン)』にも登場しています。

デパート店員のロイドは、ビルの壁面を登ることにかけては天才的な友人(名前もズバリ『ビル』!)を、店の宣伝に利用する妙案を思いつく
しかし当日、友人が逃げたために、なんと彼がビル登りをするハメに・・・

大時計の針にぶら下がって大弱りのボーイを演じるのは、ハロルド・ロイドは、チャップリン、キートンと並ぶ無声映画の3大喜劇王の一人で、ロイドのイメージを決定づけた最高傑作。
高所恐怖症の観客を心の底から怖がらせ、腹の底から笑わせるスリルとギャグ。
1920年の「化物退治」で、右手親指と人差し指を失っているにも関わらずビルを登るロイドの凄絶なプロ根性に驚かされる。

監督:サミュエル・A・テイラー、フレッド・ニューメイヤー
製作:1923年アメリカ

作品・写真提供:(株)マツダ映画社


「出来ごころ」

小津安二郎による人情喜劇。坂本武演じる喜八を主人公とした「喜八もの」の第1作

日雇い労働者の喜八は、相棒の次郎の助けを借りて息子の富夫を育てている。
喜八は若い娘・春江に熱を上げるが、春江は次郎に気がある。しかし次郎のほうは冷たく彼女を拒む。喜八は彼女に思いを寄せれば寄せるほど酒に溺れ・・・

船の客として、後に小津作品には欠かせない存在となる名優、笠智衆さんがノンクレジットで出演されています。

1933年(昭和8年)9月7日公開
小津安二郎監督作品/モノクロ、サイレント映画
松竹キネマ製作・配給


小津安二郎生誕120年の今年、田中圭さん主演で、この作品「出来ごころ」のリメーク版が放送予定です。
(wowow~11月から)
小津安二郎生誕120年記念
連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~
(日曜午後10:00、開始日未定)全6話


【今年の映画祭】
├ 小津安二郎監督作品
├ 音語り「秋刀魚の味」
├ サイレント映画
├ 小津がシンガポールで出会った西部劇
├ 邦画作品
├ 当映画祭から羽ばたいた監督作品
├ 洋画作品
└ アニメ作品

スケジュール