小津がシンガポールで出会った西部劇

安二郎 生誕120年
The 120th anniversary of Yasujiro OZU's birth.

小津監督の甥 長井秀幸さんから聞く『戦地から戻った大好きなおじさん

ジョン・ウェイン「捜索者」
JOHN WAYNE "The Searchers"

小津安二郎は、第二次世界大戦で軍報道部映画班として南方へ従軍し、主としてシンガポールに滞在。その時、報道部の検閲映写室で、連夜アメリカ映画を検閲。
1945年シンガポールで終戦を迎えた小津監督は多くの兵とともに捕虜として抑留されますが、日本兵たちが順次日本へ帰還する中、妻も子どももいない小津監督は「自分は後でいい」と若い兵士たちを先に帰らせ、自らは終戦後1年の抑留後(1946年)日本へ帰還。

シンガポールで目にした数多くの映画に、小津監督は「こんな映画を作っていた国と戦争したのでは負けるのは当たり前だ」と思ったそうです。

そして、ある覚悟を持ちます。「ぼくは豆腐屋のような映画監督なのだから、トンカツを作れといわれても無理で、せいぜいガンモドキぐらいだよ。ぼくは豆腐しか作らない。」(小津安二郎)

日本で、日本の映画監督として、日本映画らしい日本映画を撮るのだと。

小津監督がシンガポールで観、衝撃を受けた映画の1本を鑑賞し、小津監督の甥 長井秀幸さんより、戦地からやっと帰ってきてくれた大好きなおじさん『小津安二郎』のお話をお伺いします。

ジョン・ウェイン『捜索者』JOHN WAYNE "The Searchers"

大巨匠ジョン・フォード監督の西部劇『駅馬車』『荒野の決闘』を凌ぐ代表作。
 
南北戦争が終結。イーサンはテキサスに暮らす兄の家を訪れるが、兄と義姉がコマンチ族に虐殺され、2人の娘はさらわれてしまう。復讐を固く誓ったイーサンは、仲間と共に姪を捜す旅に出る。数年後、イーサンはようやく姪のデビーを捜し当てるが…。


【今年の映画祭】
├ 小津安二郎監督作品
├ 音語り「秋刀魚の味」
├ サイレント映画
├ 小津がシンガポールで出会った西部劇
├ 邦画作品
├ 当映画祭から羽ばたいた監督作品
├ 洋画作品
└ アニメ作品

スケジュール