上映作品ラインナップ

第28回 小安二郎記念・蓼科高原映画祭
The 28th Ozu Yasujirō Memorial Tateshina Highland Film Festival <Fall 2025>

※上映スケジュールはやむを得ない事情により中止、または時間が変更になる場合がございます。ご了承ください。(上映時間順・敬称略)

【上映作品】

『九十歳。何がめでたい』©2024「九十歳。何がめでたい」製作委員会 ©佐藤愛子/小学館
監督:前田哲 原作:佐藤愛子 脚本:大島里美
2024年製作/99分/G/日本 配給:松竹


※上映後、前田哲 監督による舞台トークを予定しています。
→ご来場ゲスト2025

作家・佐藤愛子が日々の暮らしと世の中への怒りや戸惑いを独特のユーモアでつづったベストセラーエッセイ集を、草笛光子主演で映画化。
これまで数々の文学賞を受賞してきた作家の佐藤愛子は、90歳を過ぎた現在は断筆宣言して人づきあいも減り、鬱々とした日々を過ごしていた。
そんな彼女のもとに、中年の冴えない編集者・吉川がエッセイの執筆依頼を持ち込んでくる。


『型破りな教室』©Pantelion 2.0, LLC
監督:クリストファー・ザラ 製作:ベン・オデル、エウヘニオ・デルベス、ジョシュア・デイビス
2023年製作/125分/PG12/メキシコ
配給:アットエンタテインメント


【解説 合木こずえ さん
東座 FromEast主宰/映画コラムニスト
当映画祭アドバイザー

犯罪と貧困が日常化した地域の小学校に赴任した教師が、型破りな授業で子どもたちを全国トップの成績に導いていく姿を、2011年のメキシコであった実話を基に映画化したドラマ。
アメリカとの国境近くにあるメキシコ・マタモロスの小学校。子どもたちは麻薬や殺人といった犯罪と隣りあわせの環境で育ち、教育設備は不足し、教員は意欲のない者ばかりで、学力は国内最底辺だった。


『お早よう』©1959松竹株式会社
監督:小津安二郎 脚本:野田高梧、小津安二郎
1959年製作/94分/日本 配給:松竹

※上映後、中井貴惠 さんによる舞台トークを予定しています。
→ご来場ゲスト2025

野田高梧と小津安二郎が書いた脚本を、小津安二郎が監督した、大人と子供の世界を描いた一篇。
近所付き合いの小さな波風にふり回される大人たちと、テレビを買ってとねだる子供たち。東京郊外の新興住宅地を舞台に、戦後の庶民生活を小津流に活写した作品で、軽さのある演出が際立っている。


『長い散歩』©2006「長い散歩」製作委員会
監督・原案 奥田瑛二/キャスト 緒形拳、高岡早紀、杉浦花菜、松田翔太
製作:2006年 配給:キネティック 時間:136分


※上映後、奥田瑛二 監督によるティーチインを予定しています。
→ご来場ゲスト2025

奥田瑛二監督ならではの繊細な演出で、深い人間愛が溢れる作品。

虐待を受けている少女と彼女を暴力から救い出した孤独な老人の旅には、ハッピーエンドのゴールはあり得ないけれど、2人が交流を深めていく姿は次第に心の中を大きな感動で満たしてゆきます。

奥田監督が強く希望された緒形拳さんの演技も圧巻!!
少女に追いつけず自己流で体を鍛えるシーンの緒形拳さんがかわいくて必見!そんなことを思っているうちに安田に肩入れしているのは、奥田監督の作戦にすっかり乗せられているのかも知れません。

美しい映像と奥深いストーリーが絶妙に溶け合い、観たあとの余韻がしばらく抜けません。どうか・・・穏やかに暮らせていますように。


『明日に向かって演れ!』©FOE/SAL Corporation
監督:鷲頭祥伍 脚本:高井浩子(劇団東京タンバリン主宰)、鷲頭祥伍
2025年製作/67分/日本


※上映後、鷲頭祥伍 監督、プロデューサー、ご出演のみなさんによる舞台トークを予定しています。
→ご来場ゲスト2025

インディーズ映画&自主製作作品!

フリーターの小野寺久、会社員の大石拓海と堀部章夫は集まっては酒を飲み日々の鬱憤を晴らしている。
ある日、女性との出会いを求めて近所で開催される演劇ワークショップに参加する。
そこには色々な人が来ていて、彼らの目的は変わっていく。

「モテたい」「売れたい」「自分を変えたい」といった等身大の欲望を抱えた市民たちが、演劇を通じて成長していく姿を描いた青春群像劇。鷲頭祥伍監督と高井浩子さんのタッグによる、笑いと共感に満ちた意欲作。


監督・脚本:古本恭一 撮影:三本木久城
2004年製作/7分/日本


※「アトムの光」上映後、古本恭一 監督安田淳一 監督による、短編映画コンクール応援特別企画を予定しています。
→短編映画コンクール2025特別企画

2004年小津安二郎記念・蓼科高原映画祭
第3回 短編映画コンクール グランプリ受賞作品

20XX年 某国某所 其処で今夜新たなる人間の“希望” 人工生命が誕生するハズであったが・・・

水津亜子汰 さんの活弁でお送りいたします。


2004年の短編映画コンクールでグランプリを受賞した作品が21年経った今、凱旋上映です。
私共の短編映画コンクールが、古本恭一監督の歩んできた歴史のひとつとして刻まれていることを、とても誇りに思います。


『ごはん』©2023 NEOPA/Fictive
監督・脚本・撮影・照明・編集:安田淳一/キャスト:沙倉ゆうの、源八、井上肇
製作:2017年 配給:未来映画社 時間:118分


※「ごはん」上映前、安田淳一 監督古本恭一 監督による、短編映画コンクール応援特別企画を予定しています。
→短編映画コンクール2025特別企画


米づくりの大変さ、米農家が抱える諸問題を「侍タイムスリッパー」の安田淳一監督が描く

2017年に安田監督が描いた本作が、奇しくも令和の米騒動真っ只中の今、米づくりの大変さ、米農家の抱える諸問題をあらためて考えさせてくれます。
長野県で暮らすわたし達の周りでも現実にある農家の後継者問題。主人公ヒカリの悩みに共感し選択した答えに希望を感じました。
手塩にかけて収穫したお米を炊き上げたごはんは格別に美しくおいしいです!

低予算の自主制作で手がけたヒーロー映画「拳銃と目玉焼」がミニシアターで評判を呼び、新宿バルト9 ほかシネコンでロードショー公開もされた安田淳一監督が、米作りをテーマに描いたヒューマンドラマ。

東京でOLとして働いていたヒカリのもとに、故郷の京都から父の訃報が届く。
幼い頃に母を亡くし、仕事に明け暮れていた父とはぎこちない関係のまま育ったヒカリだったが、葬儀のために故郷へ戻る。


『言えない秘密』Ⓒ2024「言えない秘密」製作委員会
出演:京本大我 古川琴音
横田真悠 三浦獠太 坂口涼太郎 / 皆川猿時 西田尚美 尾美としのり
監督:河合勇人/脚本:松田沙也/音楽:富貴晴美/製作:「言えない秘密」製作委員会
配給:ギャガ 時間:114分


※SixTONESの京本大我 さんと共に映画『言えない秘密』でヒロイン役を務め、京本さん演じる主人公とともに物語を鮮やかに紡ぎ出す古川琴音 さん
そんな古川さんは、同日 9月21日(日)15:45から上映の映画『お母さんが一緒』にも出演。物語の中心となる家族の三女役を演じ、上映後にはティーチインゲストとして登壇予定です!
異なる作品でまったく異なる表情を見せる彼女の、繊細さと力強さを併せ持つその演技にぜひご注目ください!

1つの旋律が繋いだ運命の出会い。
映画初単独主演・京本大我さん(SixTONES)
×
恋愛映画初ヒロイン・古川琴音さんで贈る
珠玉のラブストーリー

過去の出来事からトラウマを抱えた音大生・湊人(みなと)は、どこか謎めいた雰囲気のある雪乃(ゆきの)が奏でるピアノの音色に導かれ、運命的な出逢いを果たす。自然と惹かれ合い、雪乃の天真爛漫なキャラクターと心動かすピアノ演奏は、湊人が抱えるトラウマを癒し、やがて2人で過ごす日々は愛おしくかけがえのないものになっていく。しかし、ある日突然雪乃は湊人の前から姿を消してしまうーー。


Despicable Me 4
『怪盗グルーのミニオン超変身』©Illumination Entertainment and Universal Studios. All Rights Reserved.
監督:クリス・ルノー/共同監督:パトリック・デラージ
2024年製作/94分/G/アメリカ 配給:東宝東和


ユニバーサル・スタジオ×イルミネーション・スタジオによる大ヒットシリーズで、人気キャラクターの
ミニオンを生み出したアニメ「怪盗グルー」シリーズの長編第4作。

ある時、高校の同窓会に出席したグルーは、同級生でライバルだったマキシム・ル・マルと再会する。
しかし、マキシムはグルーに強い恨みを抱いており、復讐を企てていた。


©2024未来映画社
監督・脚本・撮影・編集:安田淳一
キャスト:山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、峰蘭太郎、紅萬子、福田善晴
製作:2024年 配給:ギャガ、未来映画社 時間:131分


※上映後、安田淳一 監督によるティーチインを予定しています。
→ご来場ゲスト2025

第48回日本アカデミー賞 最優秀作品賞,最優秀編集賞 受賞作品

こういう時代劇が観たかった!
一所懸命を体現するような侍・高坂に、いつの間にか観る者も生きる勇気をもらっている不思議な魅力の作品です。

安田淳一監督がインディーズの限界をぶった斬る!

「侍タイムスリッパー」
安田淳一監督の自主制作映画 2024年8月17日 池袋のミニシアター「シネマ・ロサ」での単館上映からスタートし、口コミで評判が広がり、またたくまに日本中を駆け巡って空前の大ヒットとなり、日本アカデミー賞最優秀作品賞にまで登りつめました。本当におめでとうございます。

生真面目で不器用な会津藩士・高坂新左衛門が奮闘する姿は、生きるのが下手な現代人に元気と勇気をくれて、山口馬木也さんの魅力に気付かせてくれた作品でもあります。風見恭一郎との関係にもぐっときます。幕末の侍がみんな現代にやってきたら現代がちょっとだけ浄化するかもしれないですね。

高坂を見守る助監督優子ちゃん、殺陣師関本さん、西経寺住職と節子さんなど魅力的な登場人物たちが今まで見たことのない本格時代劇で魅せてくれます。

クライマックスの殺陣は超必見!

侍タイムスリッパー

『浮草物語』©1934松竹株式会社
監督:小津安二郎 原作:ジェームス・槇 脚本:池田忠雄
1934年製作/86分/日本 配給:松竹

澤登翠 さんによる活弁と、カラード・モノトーン・デュオの生演奏による活弁上映です。
→ご来場ゲスト2025

小津安二郎記念・蓼科高原映画祭に欠かせない—— 澤登翠さんによる活弁と、カラード・モノトーン・デュオの生演奏が織りなす、特別な上映体験。
語りと音楽が物語を彩り無声映画に新たな息吹をもたらします。この共演は、無声映画の魅力を今に伝え未来へと受け継ぐ大切なひとときをぜひお過ごしください。

旅役者の一座の座長の喜八(坂本武)が昔子どもを産ませた女(飯田蝶子)のいる田舎町へ興行に行くのだが、現在彼の女である一座の主演女優(八雲理恵子)が嫉妬をして…。
アメリカ映画に傾倒していた小津が、米作品『煩悩』(1928年)を下敷きにした、下町人情劇“喜八もの”の第2作


『お母さんが一緒』©2024 松竹ブロードキャスティング
監督:橋口亮輔 脚本:ペヤンヌマキ、橋口亮輔
2024年製作/106分/G/日本 配給:クロックワークス


※上映後、橋口亮輔 監督と、古川琴音 さんによるティーチインを予定しています。
→ご来場ゲスト2025

「恋人たち」「ぐるりのこと。」の橋口亮輔の9年ぶりの監督作となるホームドラマ。

親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。
長女・弥生は美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを持ち、次女・愛美は優等生の長女と比べられたせいで自分の能力を発揮できなかった恨みを心の奥に抱えている。
三女・清美はそんな姉たちを冷めた目で観察する。


HAPPYEND©Music Research Club LLC
監督・脚本:空音央
2024年製作/113分/PG12/日本・アメリカ合作
配 給:ビターズ・エンド

「RyuichiSakamoto|Opus」の空音央監督が長編劇映画初メガホンをとり、ありうるかもしれない未来を舞台に、友情の危うさを独特のサウンドとエモーショナルな映像美で描いた青春映画。

XX年後の日本。
幼なじみで親友のユウタとコウは、仲間たちと音楽を聴いたり悪ふざけをしたりしながら毎日を過ごしていた。
高校3年生のある夜、こっそり忍び込んだ学校で、ユウタはとんでもないイタズラを思いつく。


『ファーストキス 1ST KISS』©2025「1ST KISS」製作委員会
監督:塚原あゆ子 脚本:坂元裕二
製作:市川南 上田太地
2025年製作/124分/G/日本 配給:東宝


※上映前、山田兼司プロデューサーによる舞台トークを予定しています。
→ご来場ゲスト2025

「花束みたいな恋をした」「怪物」の脚本家・坂元裕二と「ラストマイル」「わたしの幸せな結婚」の監督・塚原あゆ子が初タッグを組み、オリジナルストーリーで描いた恋愛映画。

結婚して15年になる夫を事故で亡くした硯カンナ。
夫の駈とはずっと前から倦怠期が続いており、不仲なままだった。
第二の人生を歩もうとしていた矢先、タイムトラベルする手段を得たカンナは・・・


《News!》
ダニエル・レイム(Daniel Raim)監督が茅野市でも撮影を行った新作ドキュメンタリー映画
『The Ozu Diaries』(協力:オズ・エステート,松竹)【2025年 全米劇場公開予定】が、
第81回ベネチア国際映画祭(2024年)の「Venice Classics(ヴェネツィア・クラシックス)」部門に正式選出されました!
※この部門は映画史における重要な作品や人物を再評価するためのもので、クラシック映画やドキュメンタリーが対象となります。

 本作は、日本が誇る映画監督・小津安二郎の人生とレガシーに迫る、 敬意と情熱に満ちたドキュメンタリー。 世界の映画ファンに向けて、小津作品の魅力が新たなかたちで届けられることを、心から嬉しく思います。


その、ダニエル・レイム監督が
「ハロルドとリリアンの仕事は映画制作の根幹を支えるものであり、彼らのような職人たちの存在が映画文化の厚みを生んでいることを伝えたい」という思いを込めて制作した作品です。

『ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー』©2015 ADAMA FILMS All Rights Reserved
監督:ダニエル・レイム 製作:ダニエル・レイム、
ジェニファー・レイム 2015年製作/100分/アメリカ
配給:ココロヲ・動かす・映画社○


1950年代から2000年代まで、数多くのハリウッド作品で絵コンテと映画リサーチを担当した職人夫婦を描いたドキュメンタリー。

セシル・B・デミル監督の「十戒」、アルフレッド・ヒッチコック監督の「鳥」など100本以上の作品で絵コンテを手がけたハロルド・マイケルソン。
そして映画リサーチャーとして活躍した妻のリリアン。
本作では2人が関わった作品の絵コンテ、名シーンの数々と名匠と現場をともにする2人の姿を描く。