上映作品<新星劇場>

新星劇場 上映作品ラインナップ

上映前に、小津安二郎監督の姪御さん、小津亜紀子さんより作品の解説をしていただきます。


「人情紙風船」

わずか28歳で戦病死した昭和初期の名監督・山中貞雄の遺作となった人情時代劇。江戸時代、貧乏長屋で暮らす髪結いの新三は、個人で賭場を開いてヤクザから目をつけられる。そのため金に困った新三は、髪結いの道具を質屋に持ち込むが断られてしまう。歌舞伎の演目として知られる河竹黙阿弥原作「髪結新三」の映画化。

1937年製作/86分 配給:東宝映画
監督:山中貞雄、原作:河竹黙阿弥

※続けて上映・・・
「銀河鉄道999」「幻魔大戦」などで知られる りんたろう 監督の最新作
山中貞雄氏 脚本の「鼠小僧次郎吉 江戸の巻」を基に、りんたろう氏のチームが企画した短編アニメ
山中貞雄に捧げる漫画映画
「鼠小僧次郎吉」 <サイレント>

江戸八百八町が夜の闇に包まれると屋根裏でガサゴソとする奴が現れる。大富豪から富をいただき貧しい庶民にばら撒く義賊、ご存じ鼠小僧次郎吉。江戸の街を舞台に繰り広げられる哀愁を誘う人間ドラマ。映画監督 山中貞雄 はそんな夢をみている・・・

2023年製作/23分/G/日本 制作会社:スタジオM2、ジェンコ、Miyu Productions
監督:りんたろう ©2023 M2/GENCO/MIYU


短編映画コンクール表彰式後
【短編映画特別審査員 鈴木元監督作品】
「ばちあたり」

小さな不動産会社で働く宮本悠太(40)は毎日が面白くない。大きな不満があるわけではないが、いつも苛々として人と関わることができない。助けを求めて来たホームレスを無視して立ち去った宮本は、その時以降、転がるように堕ちて孤独を深めて行く・・・

2024年製作/22分/日本 製作:FOG films
監督・脚本:鈴木元
プロデューサー:藤井宏之 佐伯温 鈴木元
撮影:栢野直樹 録音:鈴木昭彦


※作品上映前に、山崎樹一郎監督の舞台トークを予定しております。


日本映画監督協会新人賞

「やまぶき」

かつて韓国の乗馬競技で将来を期待されていた男性チャンスは、父親の会社の倒産で多額の借金を負い、現在は真庭市の採石場でベトナム人労働者たちとともに働いている。一方、刑事の父親と2人で暮らす女子高生・山吹は、交差点でサイレントスタンディングを始める。2人とその周囲の人々の運命は、本人たちも知らない間に交錯していく。

2022年製作/97分/日本・フランス合作
配給:boid、VOICE OF GHOST
監督・脚本 山崎樹一郎
©2022 FILM UNION MANIWA SURVIVANCE


「奇傑ゾロ」 <サイレント>
語り 活動弁士 澤登 翠 さん

カリフォルニアにスペインの伝道師が布教に努めていた頃のこと、ゾローという山賊が金持ちや横暴なスペインの商官の家に盗みに入っては貧しきものに恵を与えていた。この山賊こそ誰あろう、傲慢な女々しいスペインの貴族ドン・ディエゴ・ヴェガであった。ゾローはついに虐政を布く要路の人々をして改心せしめ、美しき乙女ロリタを獲る。

1920年製作/90分/アメリカ
配給:松竹キネマ
監督:レッド・ニブロ、原作:ジョンストン・マッカレー


活動写真弁士 澤登翠さん

1972年故松田春翠に入門。弁士の第一人者として国内外の公演を通して幅広い世代に活弁の魅力を伝えている。
活弁の継承者としての活動が評価され文化庁映画賞・松尾芸能賞特別賞他数々の賞を受賞。
’15年「文藝春秋」に掲載の「日本を代表する女性120人」にも選出されている。


「こんにちは、母さん」

山田洋次監督が吉永小百合を主演に迎え、現代の東京・下町に生きる家族が織りなす人間模様を描いた人情ドラマ。大会社の人事部長である神崎昭夫は、職場では常に神経をすり減らし、家では妻との離婚問題や大学生の娘との関係に頭を抱える日々を送っていた。そんなある日、母・福江が暮らす下町の実家を久々に訪れた彼は、母の様子が変化していることに気づく。

2023年製作/110分/G/日本
配給:松竹
監督:山田洋次、脚本:山田洋次 朝原雄三
©2023「こんにちは、母さん」製作委員会


※作品上映後に、濱口竜介監督の舞台トークを予定しております。


<地元撮影作品>

「悪は存在しない」

濱口竜介監督が、カンヌ、ベルリンと並ぶ世界3大映画祭のひとつであるベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)受賞した長編作品。自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からも近いため近年移住者が増加傾向にあり、ごく緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧は、娘の花とともに自然のサイクルに合わせた慎ましい生活を送っているが、ある時、家の近くでグランピング場の設営計画が持ち上がる。

2023年製作/106分/G/日本
配給:Incline
監督・脚本:濱口竜介、企画:濱口竜介、石橋英子
©2023 NEOPA / Fictive


「弟は僕のヒーロー」

イタリアで暮らす高校生ジャコモ・マッツァリオールがダウン症の弟ジョーを主人公に据えて一緒に撮影した5分間のYouTube動画「ザ・シンプル・インタビュー」から生まれたベストセラー小説を映画化。初めての弟の誕生を喜ぶ5歳の少年ジャックは、両親から弟ジョーは「特別」な子だと聞かされる。ジョーがスーパーヒーローだと信じるジャックだったが、やがて「特別」の意味を知り、思春期になると弟の存在を隠すようになる。

2019年製作/102分/PG12/イタリア・スペイン合作

現題:Mio fratello rincorre i dinosauri 
配給:ミモザフィルムズ
監督:ステファノ・チパーニ、原作:ジャコモ・マッツァリオール
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